プレビームとは
プレビームとは、鋼桁とコンクリートを合成し、プレフレクション、リリースによりプレストレスを導入した桁です。他形式に比べ非常に低い桁高で設計施工が可能であり、桁高が制限される橋梁の桁、建築物の梁等に多く適用され、現在では1100橋以上の実績があります。
特徴
- 他の橋梁形式にない低い桁高
- 道路線形に対応可能な構造(変断面、バチ形等)
- 低騒音、低振動
- コンクリート桁に比べ軽量
- 軽快な外観
- 低重心桁のため安全で容易な架設
- ライフサイクルコスト低減
構造
鋼桁
所定の製作ソリがつけられた組立溶接Ⅰ桁です。材質は、橋梁でSM490Y材、SM570材を使用し、建築でSN490B材を使用しています。鋼桁下フランジにはブロックジベルが設けられており、下フランジコンクリートと合成されています。鋼桁上フランジにはスタッドジベルが設けられ、スラブと合成されています。
下フランジコンクリート
高強度コンクリート(σck=40N/mm2以上)を使用し、プレストレスを導入します。コンクリートには高性能減水剤を添加し、水セメント比を30~35%に抑え、スランプ値18~21cmで施工しています。また、コンクリートのひび割れ分散及び剥離防止のために、軸方向筋と組立筋が設置されています。
床版(スラブ)
合成桁の床版(スラブ)と同様に、主鉄筋と配力筋で構成されます。
腹部コンクリート
剥離防止のために、軸方向筋とスターラップ筋が設置されています。また、最近では腹部コンクリートを省略した鋼板ウェブ仕様の構造もあります。
分割工法
分割工法とは
分割工法とはプレビームをプレファブ化したもので、1988 年以降ほとんどの橋で採用されています。
分割工法のメリット
- 現場付近での主桁製作ヤードが不要となります。
- 現場工事の工程が短縮されます。
- 各セグメント毎の架設が可能となり、架設機材の吊り上げ能力を小さくできます。
分割工法の局部プレストレス
添接部の下フランジコンクリートにもプレストレスを導入して、
既設部コンクリートとの一体性を確保します。
カウンターウエイト
連続桁の対応
連続桁では死荷重による曲げモーメントが正の値となる範囲を包括するプレビーム部材(プレストレス導入部材)と、それ以外の中間支点部部材(ノンプレストレス部材)との2種類に分けることを基本とする。
連続桁の考え方
連続桁の特徴を活かした計画
20m~50mの支間長を有する連続桁は、他形式に比べ経済的な提案が可能
連続桁のメリット
- 走行性、耐震性にすぐれる
- 単純桁に比べ
- 支間を増大できる
- 桁高を低くできる
- 工事費を縮減できる
鋼板ウェブ仕様
鋼板ウェブ仕様のプレビームは、ウェブコンクリート省略による桁自重の軽量化による鋼桁断面の減少、輸送・架設重量の削減、支承・下部工への反力低減などの効果により、コスト縮減が可能になります。
鋼ウェブの防錆処理には、「耐候性鋼材」、「金属溶射」、「塗装」などがあります。